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~釧路~
世界三大夕日のまち「釧路市」
バリ島(インドネシア)、マニラ(フィリピン)
人口18万6千
土地面積1362km2
(旧釧路市222 km2:市街化区域52km2 )
ちなみに東京都の世田谷区
58km2 で83万人
2010年10月現在:釧路市統計書、東京都統計書
釧路の状況
労働人口:8万4千
一次産業2%(主に漁業)
65歳以上の高齢者の割合は24%
生活保護受給率5%
北海道全体の一次産業は6%
日本全体での高齢者は22%
日本全体での生活保護受給率1.2%
2007-2010年:北海道庁、釧路市、東京都、総務省統計書
釧路での生活(消費財普及率)
• 給湯器
大型冷蔵庫
高い普及率 •
• システムキッチン
• シャンプードレッサー
• 携帯電話
液晶テレビ
低い普及率 •
• DVDレコーダー
• PC
2005年総務省消費実態調査
釧路・根室医療圏
釧路・根室圏は岩手県に匹敵する面積
人口35万人を対象とした3次医療圏
患者収容所要時間の長さは道内一
釧路~中標津 100分
釧路~根室間 120分
釧路~別海町 100分
今はドクターヘリがあるが…
研修の流れ
第1週:一次産業体験、生理検査研修
第2週:桜ケ丘診療所研修
第3週:整形外科研修
第4週:ねむろ医院研修
第5週:ねむろ医院研修
一次産業体験
酪農体験(厚岸町小野寺牧場)
餌やり、糞尿処理、搾乳、牛舎の掃除⇒1日2回
難産の介助(見回り)
酪農家の業務
栄養学
医学
土木工学
電気工学
経営学
酪農家に対しての医療
① 仕事に対して夫婦での共同作業
② 健診参加は困難⇒遠距離、業務が多忙
③ 入院してしまうと直接経営に影響
④ 未治療の慢性疾患を抱えていることが多い
北海道における新酪農村住民の生活と健康
に関する研究:北海道大学(1982)
健康評価・疾患予防・健康増進・患者教育
介入が重要
医療の介入
酪農家同士での集まり(JA会議)
主婦同士での集まり
豊富な医学知識(出産、感染症)
専属の獣医との交流
医療スタッフによる患者教育
同僚による教育(大腸がん検診)
生理検査研修(釧路協立病院)
検査体制(6人)
検査項目
エコー(UCG、頚部、腹部、DVT)
神経伝導速度
呼吸機能(スパイロ)
ちなみに勤医協中央病院
心電図
ではエコー検査室に6人
特殊検査 (UCG、心電図は別)
造影エコー、振動病検査
その他
病棟採血、検体処理、尿検査、エルゴメーター、
etc…
釧路協立病院での検査技師
広範囲な検査能力
緊急時における高度な対応力
一方で…
育成期間の長期化
技術の維持(例:UCG件数の低下)
検査機器の老朽化(腎動脈狭窄PSV測定など)
検査機器の導入(私案?)
診療科:内科・整形外科・外科・(透析)
① 血圧脈波検査装置(PWV/ABI)
PAD(末梢動脈疾患)に有効
感度95%・特異度100%(カットオフABI<0.9)
② 皮膚組織灌流圧(SPP)
DM・維持透析など高度動脈石灰化患者に有効
感度85%・特異度77%(カットオフSPP<50mmHg)
どちらも低浸襲で被爆もなし
スクリーニング効果
JAMA2006;295:536-546,臨床透析vol.24 no10,脈管学Vol.45 no5
ここは?
診療所研修(1回目)
桜ケ丘医院での外来研修
往診
地域訪問
診療日:午前診療(月~金)
:夜間診療(水)
1日当たり患者数:66人
往診 :週1回(木)
正職員:7名
さくらグループ紹介
桜ケ丘医院
さくらいきいき
さくら デイサービスセンター デイサービスセンター
院内風景
診療所での外来
65歳以上の高齢者が31%の地域
主に慢性疾患患者
独居、要介護の方が多い
混みあっている外来⇒3分診療が現状
長期的なフォローが重要(往診、地域訪問)
一回の診察で最低一つは関不していく
定期的な健康づくりの取り組み
私が悩んだ症例
肺気腫の既往がある60代男性
主訴:発熱(38度)、呼吸苦
現症:意識清明、発熱あり、軽度の低酸素血症、
血圧・脈正常
胸部にcrackle聴取するが以前からのものかは
丌明(カルテの字が読めない…)
画像:CXRではあきらかな肺炎像は認めず
(COPDの所見あり)
本人は急性期対応病院に行く気なし
私が悩んだ症例
採血結果は委託
血液ガス、肺CTの設備なし
PORT、CURBー65、A-DROPは全て使用丌可
非定型肺炎も除外困難
感冒疑いだがCOPDの急性増悪は否定できず
抗生剤を処方して4日後再診
増悪時には救急外来を受診するように指示
診療所での外来
急性症状を訴えている患者
見逃してはならない疾患の除外
短時間での対応
限られた検査での対応
迅速な紹介受診
普段からの患者との関わり(病態把握)
チーム医療の実践
アクセスツール
これは…
整形外科研修
外来見学、外来研修
病棟研修
術前カンファレンス参加
手術見学、助手
外科2次救急当番
整形外科研修
外来では変性疾患が主体(RA,OA)
人工関節の手術適応になれば入院
急性期では脊椎圧迫骨折(骨粗鬆症)
転倒による大腿骨骨折
外来手術では手根管症候群など
脊椎疾患(2名の専門医)
外科2次救急当番
白糠町の自宅で脚立から転落し左股関節痛の
ある70代男性
左大腿骨近位粉砕骨折⇒入院手術予定
柔道の練習中に肩から落下して疼痛のため左
上肢に可動制限のある13才の女性
左鎖骨骨折⇒後日入院手術予定
外科2次救急当番
新体操の練習中に着地に失敗し右足関節痛の
ある15才の女性
シーネ固定でRICE療法帰宅
飲酒中に戸棚に手を突っ込みガラスで右前腕
内側に5cm裂創のある60代男性
腱断裂、神経損傷、感染のリスクあり⇒入院精査
多彩な症状を訴える患者が来院
リスクのある患者もいる
プライマリーケアに精通した医師が必要
ここは?
診療所研修(2回目)
ねむろ医院での外来研修
往診
地域訪問
診療日:午前診療(月~金)
:夜間診療(火)
1日当たり患者数:85人
訪看 :毎日
往診 :月3回
正職員:38名(デイサービス職員含)
院内風景
いきいきデイサービス
根室地域の医療事情
産婦人科が丌在
夜間の救急外来が休診
緊急時は釧路へ搬送⇒2時間
(外科当番時に急性虫垂炎疑い患者が搬送)
長期療養施設の丌在
夜間の看取りに立ち会える医師がいない
ねむろ医院で行っている活動(実例)
看取りに対しての対応
① 在宅での看取りを希望している患者
② 訪問看護でフォロー
③ 夜間連絡対応
④ 救急連絡(救急車)
ねむろ医院
⑤ 救急搬送⇒市立根室病院 職員による
⑥ 当直医師による看取り
根室市の医療体制作りに積極的に参加
ねむろ居宅訪問
脂質異常症、高血圧症で複数の病院から薬を処
方されていた90代女性
服薬整理を行い、ねむろ医院による単独フォロー
薪ストーブで独居生活を送っている高血圧症の
70代男性
生活環境の改善(暖房器具の設置)
脳出血後の右丌全麻痺で拘縮によりリハビリ及
び歩行障害を起こしている70代女性
ADL改善目的による手術を今後整形外科で実施
(協立病院入院予定)
最後に…「地域医療実習を通して」
地域での医療の現状
患者さんの生活背景まで関不した医療
予防医学の重要性
患者教育
家族を含めた患者さんとの長期的な関わり
地域全体でチーム医療を提供
ご清聴ありがとうございました
地平線?