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■報 文

(昭 和37年3月10日 受 理)

カ ーバ イ ド法 ア セチ レンの精 製 とア セ チ レンか

ら ア セ トア ル デ ヒ ドな らび に そ の誘 導体 の製 造

上 岡 武 雄*

Purification of Acetylene from Calcium Carbide and Production

of Acetaldehyde and It's Derivatives from Acetylene.

Takeo KAMIOKA

Manufacturing of acetaldehyde from acetylene (from clcium carbide) and further


manufacturing of acetic acid, ethyl acetate, and paraldehyde thereof has been
investigated from industrial view point and the following experiments have been
made.
(I) As a method for removing of phosphine from acetylene by use of hypo-
chlorite solution a method of continuous regulation of the concentration and the
pH was investigateg.
(II) (1) In the manufacturing of acetaldehyde by use of metalic mercury and
mercuric sulfate as the catalyst, the effect of reaction temperature and iron salt
(catalyst promotor), respectively, was different.
(2) In the case of recovering of acetylene from hydrated waste gas by the
solvent extraction method, the conditions for a continuous recovery by use of
paraldehyde as absorbing agent were saught.
(III) As a method for a continuous manufacturing of acetic acid, the condit
i-ons for reaction were investigated and the gaseous compositions of explosion
range in waste gas were saught as a safety measure.
(IV) In the manufacturing of ethyl acetate by the Tischtschenko reaction, the
relation between the amount of catalyst and the percentage of reaction in the
batch process was investigated. It was found that the catalyst could be used re-
peatedly.
(V) In the manufacturing of paraldehyde, cation-exchange resin was used as
the catalyst and the relation between relative exchange capacity and catalyst activity
was saught in connection with the treatment of the resin.

デ ヒ ドな らび に,そ の誘 導 体 で あ る酢 酸,酢 酸 エ チ ル,
緒 言
お よ びパ ラ アル デ ヒ ドの製 造 に 関す る もの で あ って,特
この研 究 は,カ ーバ イ ド法 ア セチ レ ン よ リア セ トア ル に 工業 化 の立 場 か ら,最 も必 要 と思 わ れ る問題 に重 点 を
*大 日本 化 成 株 式 会 社(東 京 都 千 代 田区 有 楽 町1の12) お い て 実験 を行 った も の で あ る。

837
838 有機合成化学 第20巻 第9号(1962) (34)

 す な わ ち,そ の 内容 は 次 の5部 か らな り,基 礎 研 究 の (3)ア ル カ リ洗 浄 塔50mm径300mm高(2)(3)


他 に,必 要 に応 じ て 中規 模 装 置 に よる 実験 結 果 を も付 記 共 に6mmラ シ ヒ リン グ充 テ ン
し た。 (4)清 浄 液仕 込槽
(I)ア セ チ レン 中の リン化 水 素 の 除去 (5)清 浄 廃 液受 槽
(II)1ア セ トア ル デ ヒ ド製造 に お け る水 銀 触 媒 に対 (6)ア ル カ リ液 仕 込 槽
す る反 応 温 度 な らび に,鉄 塩 の 関係 (7)ア ル カ リ廃 液 受 槽
2水 和 廃 ガス か らア セ チ レ ンの 回収  実 験 方 法 は 次 の 様 に行 った 。
粗 ア セ チ レン(予 め石 灰 乳
(III)酢 酸 製 造 に お け る反 応 方 法 あ るい は カ セ イ ソー ダ でH2Sを 除 去 し,次 に希H2SO4
(IV)酢 酸 エチ ル 製造 に お け る アル ミニ ウ ム エチ レ でNH3を 除去 した粗 製 ア セ チ レ ン)を(1)で185
ー ト触 媒 の 使用 条 件
l/hrに 調 節 しつ つ(2)に 通 し,こ こ で予 め種 々 の濃度
(V)パ ラ アル デ ヒ ド製造 に お け る触 媒 の選 択 に調 製 した 清 浄 液51/hrを(4)か ら潅 液,向 流 させ
PH3を 酸 化 除 去 す る。
1.ア セ チ レ 冫 中 の リ ン化 水 素 の 除 去
 ガ ス は 次 に(3)に 入 り(2)でC1,が 発 生 した 場 合
 カー バ イ ド法 ア セ チ レン の 不純 物1)の うち次 工 程 に の 安 全 の た め に5%NaOH液 で洗 浄 す る。
悪い 影 響 を 与 え る もの は,NH3,H2S,お よびPH3で 清 浄 率%=〔(粗 ガ ス 中 のPH3%-精 製 ガ ス 中 のPH,
あ る こ と は周 知 で あ る が,前 二 者 の 除去 は容 易 で あ るの 00)/粗 ガ ス 中 のPH
,%〕 ×100
で 工 業 的 に はPH,の 除 去 が 問題 とな る 。PH3の 清浄 に
 と しPH、 は北 川 式 検 知5)に よ って 分 析 した。 な お,
は,普 通 これ を酸 化 して 除 去 す る方 法2),付 加 化 合 物 と
粗 ガ ス 中 のPH,は 約0.05%で あ った 。
し て除 去 す る方 法3)が 知 られ て い るが,筆 者 は酸 化 法 を
 実 験 の 結 果 は 図2の 如 くCa(C10)2濃 度 が2g/lで
採 用 し,酸 化 剤 と して 次 亜 塩素 酸 塩 の水 溶 液 を用 い,液
循 環連 続 清 浄 方 式 の 実験 を 行 った 。
 この 場 合,ア セ チ レ ンの清 浄 が 進 め ば リ ン酸 量 の増 加

蓄 積 に よ り 清 浄 液 のpHは 変 化 し 清 浄 液 の分 解 を促 進
し,清 浄 操 作 が 不 安 定 とな る が,清 浄 液 に カ セイ ソー ダ

を連 続 添 加 す る こ とで 容 易 にpHを 調 節 す る こ とが で
きた4)。
実験の部
1.PH3清 浄 率 とCa(C10)2濃 度 の 関係

実験 装 置(図1)
図2Ca(C10)2と 清浄率

急 激 に清 浄 率 が 上 昇 し,本 条 件 に お け る効 果 濃 度 の 下 限
界 を示 した 。
2.補 給 清 浄 液 の ア ル カ リ濃 度 次 に1の 実験 で 消

耗 す る分 の清 浄 新 液 を補 給 しつ つ 清 浄 廃 液 を繰 り返 し使
用 す る連続 実 験 を行 う場 合 に,清 浄 新 液 にNaOHを 種
々 の 濃 度 に添 加 して,清 浄 液 の酸 度 の変 化 を測 定 した.

粗 ア セ チ レン量185l/hr

清 浄 液 潅液 量5l/hr
清 浄 液Ca(ClO)2濃 度39/l
清 浄 新 液Ca(ClO)2濃 度110g/l
 この場 合 の実 験 結 果 を 図3に 示す。

縦 軸 は循 環 清 浄 液 の酸 度(規 定 数)で,横 軸 は経 過 時 間
図1
数 である。
(1)ガ スメーター  図 の(1)は 補 給 液 にNaOHを 添加せず 予め 酢酸 で
(2)清 浄 塔50mm径300mm高
中 和 して お い た も ので,予 想 され る 如 く しだ い に酸 度 が
(35)カー バ イ ド法 ア セ チ レ ン の 精 製 と ア セ チ レ ン か ら ア セ トア ル デ ヒ ドな ら び に そ の 誘 導 体 の 製 造839

性 を 見 る た め の実 験 を行 った 。
 す な わ ち,Ca(ClO)21.79/1の 循 還 液 を採
りか くは ん しつ つ,種 々 のCa(ClO)2濃 度 の補

給 液 を,3g/l濃 度 に な る様 に 添 加 し,添 加 直
後,お よび30min後 に 分析 を行い,分 解損 失
率 を求 めた 。

 実 験 結 果 は 表1に 示 す 様 に 補 給Ca(ClO),
濃 度 は 相 当高 濃 度 で も分 解 率 は 問題 に す べ き量
で は ない 。 ま た補 給 直 後 お よび30min後 の変

化 も全 く見 られ ない 。
図3添 加NaOH量 と,清 浄 液 性 4.清 浄実 験 筆 者 は上 記 の基 礎 実 験 か

上 昇 す る 。(2)(3)(4)はNaOH添 加 量 をそ れ ぞ れ 変 ら,次 に0.3m径2.5m高 の充 テ ン塔 を用い,

え た も の で,こ の添 加 量 を 適 当 に選 ぶ こ とに よ り循 環 液  粗 ア セチ レ ン量40m3/hr

を中 性 に保 ち,効 果 的 に清 浄 を行 い うる こ とが知 られ て  循 環 清 浄 液 量1.5m3/hr

いる。 に よ る 中規 模 連 続 実 験 を行 っ た。 こ の場 合 液― ガ ス接 触

 3.清 浄 新 液 のCa(ClO)2濃 度 補 給 液 中 の 効 果 よ り,Ca(C10)2の 効 果 濃 度 は0.29/lで,補 給液


Ca(ClO)2濃 度 を 高 くす る こ とは,排 出 液量 が 少 な くな はCa(C10)220g/l,NaOH2g/lで 行 った。

り,これ に 同 伴 す る溶 解 アセ チ レ ンの 損 失 上 望 ま しい が,   実 験結 果 の一 例 を 図4に 示す。



高 濃 度 に過 ぎ る と循 環 液 中で の分 解 が起 こ る
。 この 安 定 II
表1添 加Ca(ClO)2濃 度 と分 解 率
 1.ア セ トア ル デ ヒ ド製 造 に お け る水 銀 触 媒 に対 す る

反 応 温 度 な らび に,鉄 塩 の 関 係 ア セ チ レン の水 和 に
よ る,ア セ トア ル デ ヒ ドの 製 造 には,気 相 法,高 圧液 相

法 で水 銀触 媒 を用 い ない 方 法6)も 知 られ てい るが,反 応
の容 易 な こ とか ら 一 般 に はHg++を 使用 し 希 硫 酸 中 で

反応 を 行 うの が普 通 で あ る 。
 この場 合,水 銀 を硫 酸 水 銀 ま た は酸 化 水 銀 の形 で,普

通 硫 酸 第 二 鉄 と併 用 して η反 応 に 与 ら しめ,還 元 され て
触 媒 能 を失 った 水 銀 泥 は,こ れ を器 外 に取 り出 して 処理
を行 って,元 の形 と し て,再 び 触 媒 と して 使

用 す る方 法 と,直 接 金 属 水 銀 を硫 酸 第 二 鉄 と
併 用 して,反 応 器 内 でFe+++の 酸化力 によ
ってHg++を 生 成 す る 方 法8)が あ る。 い ず
れ の 場 合 も,還 元 され た鉄 塩 は,普 通 水 和 系

外 で 硝 酸 等 で 酸 化 され,再 使 用 され る 。両 法
にお い て,反 応 温 度 な らび に第 二鉄 の影 響 に
つい て,相 異 の あ る こ とが 認 め られ た が そ れ

ぞ れ の適 切 な反 応 条 件 は,必 ず し も十 分 な 検

討 吟 味 が な され て い ない 点 もあ るの で,以 下
の実 験 を行 った 。

実 験 の部
 実 験 装 置

 系 統 図 は 図5に 示 す 如 き も ので
(1)ア セ チ レ ン清 浄 塔
図4清 浄塔運転状況表 (2)反 応 塔;内 容800cc
840 有機合成化学 第20巻 第9号(1962) (36)

(3)ク ー ラー ア セ チ レ ン吹 込量;100l/hr
(4)ス ク ラバ ー 実 験 結 果 図6,7に 示す

図5

実験方法
 所 定 仕 込 液 を予 め入 れ た反 応 罐 に一 定 速 度 で ア セ チ レ
ン を吹 込 み,水 和 反応 を行 わ しめ,反 応 ガ ス は,ク ー ラ 図6
ー で 冷 却,次 に ス ク ラバー で水 洗 ,ア ル デ ヒ ド分 を捕 集

後,再 び反 応 罐 は 加熱 に よ り,所 定 温 度 に保 つ と と も
に,触 媒 液 お よび反 応 水 を添 加 し,間 欠 的 に反 応 液 の 一

部 を抜 去 り,組 成 お よ び液 量 を一 定 に保 つ 。 クー ラー の
凝縮 液 お よ び,ス ク ラバ ー液 の アル デ ヒ ドを分 析 して,
ア ル デ ヒ ド生 成 量(g/hr),水 銀 効 率(ア ル デ ヒ ド生 成

量g/Hg++消g)を 求 め,成 績 を比 較 した 。 分 析 は
次によった。
Fe++;KMnO4で 滴定
Fe+++;Fe++分 析 後 の 液 に 塩化 第 一 ス ズ 液 を加 え

KMnO4で 滴定
Hg++;鉄 明 バ ン 液 を 指示 薬 と してNH4CNSで

滴定
Hg;硝 酸 を加 え て か ら上 法 に よ る

CH3・CHO;友 田法9)
i反 応温度の関係 図7

a.硫 酸 水銀 法  上 の結 果 が示 す よ うに,硫 酸 水銀 法 で は,温 度 が 低 い


反応条 件 程,高 成 績 の傾 向 を持 って い る 。一 方 金 属 水 銀 法 で は,
  仕 込 液;H2SO410,20,30%各300cc 反 応 温度 の影 響 が,硫 酸 濃 度 に よ っ て異 な り,硫 酸 濃 度
Fe++1% 小 な る場 合 に は,温 度 が 高 い 程,高 成績 を示 す が,濃 度
触 媒 液;H2SO4同 上 濃 度25cc/hr が大 に な る と,成 績 は反 応 温 度 に無 関係 と な って い る。
Fe+++1%,Hg++1% こ の こ とよ り,Fe+++に よ るHg→Hg++に 律速 段
ア セ チ レ ン吹 込 量;100l/hr 階が あ る もの と考 え られ る。
b.金 属水銀法 ii鉄 塩の関係

 仕 込 液;H2SO45,10,15,3000各300cc   実 験 装置 と同 じ装 置 を使 用
Fe++200Hg16.7g 実験方法 仕 込 液 量;300cc
触 媒 液;H2SO4同 上 濃 度25cc/hr 吹込 ガ ス量;100l/hr
Fe+++2% 触 媒 添 力口
量;25cc/hr
(37) カ ー バ イ ド法 ア セ チ レ ン の 精 製 と ア セ チ レ ン か ら ア セ トア ル デ ヒ デ な ら び に そ の 誘 導 体 の 製 造 841

反 応 時 間;20hr す る こ とは,こ の た め にHg→Hg++の 生 成が盛ん


生 成 アル デ ヒ ド取 り出 し方 法; に な るた め と考 え られ る。 た だ し,こ の場 合,水 銀 の 分
過 剰 ア セ チ レ ン循 環 式 散 状 態 が十 分 で,反 応 に与 か るべ き水 銀 量 が 多 量 存 在 す
反 応 温 度:約80℃ るこ とが必 要 で あ る。 これ に 反 し,(b)の 場合 は,水 和
 反 応 罐 に は予 め所 定 濃 度 の硫 酸 第 一 鉄 硫 酸 液 を 仕 込 成 績 上Fe+++濃 度 に は あ る 限 界 値 の あ る こ とが 判 る σ
む 。 金 属 水 銀 法 の場 合 は さ ら に16.79の 水 銀 を仕 込 み,
筆 者 の経 験 に よれ ば,水 和 反 応 液 中 のFe+++/(Fe++++
反 応 罐 内 濃 度 と等 しい 硫 酸 第 二 鉄 硫 酸 液 を触 媒 と し て Fe++)が0.01∼0.05の 範 囲 で は,反 応 は き わ めて 順 調
添 加 す る。 硫 酸 水 銀 法 の場 合 は,触 媒 液 と して,Hg++ に行 わ れ,こ の 値 が0.3∼0.5に 達 す る と不調 とな り反
1.7%で 反 応 罐 内 中 液 と同 濃度 の第 二 鉄硫 酸 液 を添 加 す
応 は 困難 と な る。観 察 に よれ ば反 応 液 中 に存 在 す る灰 青
る。 添 加 と同 量 の反 応 液 は 系外 に取 り出す 。反 応 水 と,
色 の泥 状 物 は0.001∼0.005mm径 程 度 の水 銀 粒 子 で あ
蒸 発水 と等 量 の水 は別 に 補給 す る 。 クー ラー凝 液お よ って,そ の 表 面 に,あ るい は,液 中 に さ らに微 小 の コ ロ
び洗 浄液 中 の ア セ トア ル デ ヒ ドを分 析 して 水 和 成 績 を求
イ ド状 水 銀粒 の存 在 を 予想 す る と,水 銀 の如 き陰 性 疎 水
める。
ゾル はFe+++の 如 き価 数 の高 い カチ オ ン に よ り凝結10)'
実験結果
し,そ の 表 面 積 を減 少 し,Hg→Hg++反 応 が著 しぐ
  水 和成 績 を時 間 当 りの ア セ トアル デ ヒ ドの 生成 量 で示 低 下 す る こ と とな り,上 述 のFe+++/(Fe++++Fe++)
し,こ れ と鉄 濃 度 と の関 係 を各 硫 酸 濃 度 に つ い て 求 め
と反 応 成 績 の 関係 が 理 解 され る。 す な わ ち水 銀 の 解 膠
た。
は,反 応 液 中 の 電 位 を 支 配 す るFe+++/Fe++に よ り左 。

右 され る か ら,機 械 的 にHgを 細 分 す る と共 に,微 粒


子 の 存 在 を許 す 電 気化 学 的 に安 定 な条 件 を与 え てFe++
+に よ り 能 率 よ くHg→Hg++を 行 わ し め る こ とが 賢

明 で あ る。

2.ア セ トアル デ ヒ ド製 造 にお け る 水和 廃 ガ ス か らア
セ チ レン の 回 収 ア セ チ レン の水 和 反応 で ア セ トア ル

デ ヒ ドを 製造 す る とき,S.T.Y.(単 位 容積 単位 時 間 当 り
生 成 量)を 大 にす る た め にア セ チ レ ン濃度 の 高 い こ とが1
望 ま しい こ とは 周 知 で あ る。過 剰 ア セ チ レ ン循 環 水 和 法
で は,原 料 ア セ チ レ ン中 の 不純 物 が蓄 積 して くる ので,
図8 S.T.Y.を 大 に しよ う とす れ ば 循 環 ガ ス の 廃 棄 量 を大 に .

す る必 要 を生 ず る。 した が って,こ の場 合 には 廃 棄 ガ ス.
か らア セ チ レ ンを 回収 しな け れ ば不 経 済 とな る。
  筆 者 は 廃 ガ ス(ア セ チ レン 濃 度60∼90%)の 精 製法,
に つ い て研 究 を行 った0従 来 希 濃 度 の アセ チ レン を濃縮
して 回収 す る方 法 には,加 圧 水11),液 体 ア ンモ ニ ア12),
ジ メ チル ホル ム ア ミ ド13)等を使 用 す る多 くの方 法 が知 ら

れ てい る が,筆 者 は 溶 剤 吸 収 法 に つ い て,経 済 的 な観 点.
か ら酢 酸 エ チル とパ ラ アル デ ヒ ドを選 ん で 実験 した。 特
にパ ラ アル デ ヒ ドの場 合 に は,こ れ が 回 収 ガ ス 中 に微 量

同 伴 す る こ とが あ って も,次 工程 に お い て,ア セ トアル ・


図9
デ ヒ ド以 外 の もの を生 じな い か ら水 和反 応 に差 支 え の な 、
 (a)の 場 合 は,実 験 され たFe%の 範 囲 で は,水 和 い 利 点 が あ る。 以 下 この場 合 の実 験 につ い て 述 べ る。
成 績 と正 相 関 で あ る。(b)の 場合,Hg++濃 度1.7% 実 験 の部
に対 して は,Fe濃 度2%ま で は,水 和 成績 と正相 関,  パ ラア ル デ ヒ ドに対 す る ア セ チ レンの 吸 収 な らび にjr
そ れ 以 上 に 対 して は,:負 相 関 を示 して い る。(a)(b)と 放 出 につ い て の実 験 を行 っ た。
も硫 酸 濃 度 の上 昇 につ れ 水 和 成 績 は 高 くな って い る。 吸収実験装置
 (a)の 場 合Fe+++濃 度 の 上 昇 に つ れ 水 和成 績 の 向上 (1)溶 剤貯槽
842 有機合成化学 第20巻 第9号(1962) (38)

(2)吸 収塔  吸 収 実 験 で ア セ チ レ ンを吸 収 したパ ラ ア ル デ ヒ ドを予


(3)溶 剤受槽 熱 器 で 所 定 温 度 に 加 熱 後,放 出塔 頂 に添 加 す る 。放 出塔

(4)ガ ス冷 却 器 は外 筒 加 熱 型 で 溶 解 ア セ チ レ ンが放 出 され,パ ラ ア ル デ

吸 収 塔 と して は 次 の2種 ヒ ド蒸 気 と共 に塔 頂 よ りガ ス 冷 却 器 に 入 り,パ ラ ア ル デ

類 を使 用 した 。 ヒ ドのみ 凝 縮 し放 出 塔 へ 還 流 され る。 回 収 ガ ス は,ア セ

A.50mm径1,000m トアル デ ヒ ド吸 収 ビ ン を径 て 排 出 され る。 分析 法 は 次 に

m高,充 テ ン高690 よ った 。

mm C2H2;ア セ トン吸 収 法

B.50mm径1,500m CH3・CHO;友 田法

m高,充 テ ン高1,2 CO2;検 知管

30mm O2;KOHで 洗 浄 後,ピ ロ ガ ロー ル 液 吸

 パ ラア ル デ ヒ ドを(1) 収法
 実験 結 果
よ り流 量 計 を通 して(2)
の塔頂に添加する。アセ 表2a)吸 収 実験 結 果

チ レ ンガ ス は,(2)の 塔
図10
底 よ り一 定速 度 で 吹 込 ま
れ る 。 ア セ チ レン を吸 収 した溶 剤 は 塔 底 よ り(3)に た ま
り,ガ ス は ア セ チ レ ン濃 度 を減 じて塔 頂 よ り計 量 され て
去 る。

放 出 実験 装 置
(1)ア セ チ レ ン吸 収 液貯 槽
(2)予 熱器
(3)放 出塔
(4)ガ ス冷 却 器

(5)液 冷却器
(6)放 出液 受 槽
(7)ア セ トアル デ ヒ ド吸 収 瓶

  放 出塔 は50mm径1,000mm高,充 テ ン高700mm
の も の を使 用

 表2に も明 らか な如 く,接 触 液 ガス 比 が6以 下 の 場


合 に はA,B塔 とも そ の廃 棄 ガ ス 中の ア セ チ レ ン濃 度 は
0で あ る。 これ は別 に筆 者 が実 験 で 求 めた パ ラア ル デ ヒ

ドの ア セチ レ ン溶 解度 か らみ た計 算 液 量 の 約1.7倍 必要
な る こ と を示 す 。
 表3に も示 され る よ うに 回 収 ガ ス は ア セ チ レ ン 濃 度
95%以 上 で あ る。

 上 記 試 験 に 基 い て 行 った 中規 模 試 験 結 果 は大 略 次 の如

くで あ る。
吸 収 塔 温 度;18∼20℃
図11
放 出塔 温 度;85∼92℃
(39)カ ー バ イ ド法 ア セ チ レ ン の 精 製 と ア セ チ レ ン か ら ア セ トア ル デ ヒ ド な ら び に そ の 誘 導 体 の 製 造 843

表3b)放 出実 験 結 果 吸 収塔 導入 ガ ス組 成(vo1%)
C2H2;73∼80%
CH3・CHO;0.1∼0.3%
CO21∼5%

O20.8∼1.500

回 収 ア セ チ レ ン濃 度;93∼98%
ア セ チ レ ン回 収率;90∼95%
 なお,中 規 模 試験 に お け る吸 収 塔 導 入 ガ ス,回 収 ガ ス
の ガス ク ロ マ トグ ラ フ を 図12,13に 示 す。

筆 者 は 本 法 に関 し 日本 特 許 申請 中 で あ る0

III.酢 酸製 造 に お け る 反 応方 法

 アセ トアルデ ヒドの酸素酸化で酢酸 を製造する場合,


単式反応方式 では能率 が悪い ので一般に連続方式が望 ま
※1.吸 収 ア セ チ レ ン濃 度
※2.ア セ チ レ ン回 収 量/パ ラ ア ル デ ヒ ド処 理 量
れ る。 しか し一基 の反応塔 を使用 して連続反応 を行い連
※3.放 出 ガス 中 の ア セ トア ル デ ヒ ドg/パ ラ ア ル デ ヒ ド処 理 量1)×100 続 的に反応生成物 を流 出 させ た場合,流 出速度 を著 しく
遅 く しな い 限 り,流 出粗 酢 酸 中の 未 反 応 ア セ ト
ア ル デ ヒ ドは数00に も及 び,次 工 程 に 悪影 響

を 与 え る か ら一般 に は同 型 の二 基 の反 応 塔 を直

列 に 使 用 して連 続 化 す る。
  筆 者 は一 基 の反 応 塔 に小 型 の多 管 式 冷 却 器 型
反応 罐 を 付属 させ,反 応 を連 続 化 させ る実 験 を
行 った 。 ま た この実 験 に おい て酸 化 廃 ガス の 爆
発 範 囲 を求 め 安全 対策 を定 め た。
実 験 の部

 実 験 装 置 お よび 操 作 方 法
 42mm径5m高 の 冷 却外 筒 付 の 反 応 罐 を直
図12
立 せ し め,こ の底 部 よ り計 量 した 酸 素(純 度99
註 図上の数字は元の山 の縮 尺率を示す。 00)を 吹 込 む 。 一 方 反 応 塔 か ら連 続 流 出 され た

粗 酢 酸(残 留 ア セ トアル デ ヒ ド3%,過 酢 酸0.2


%)を 底 部 ま た は頂 部 よ り仕 込 み,酸 素 と並 流
ま た は 向流 せ し めて,反 応 罐 の 頂 部,も し くは
底 部 よ り連 続 的 に溢 出せ し め る。 溢 出 酸 の ア セ
トア ル デ ヒ ド濃 度 お よ び過 酢 酸 を分 析 して 酸 化
.成績 を 比較 した 。

採 用 した 分析 法
  酢 酸 中 の ア セ トア デ ヒ ド;友 田法

酢 酸 中 の 過 酢 酸;硫 酸酸 性KI溶 液 を 加 え,
Na2S2O3滴 定

実験結果
 この場 合 一 定 酸 化 温 度 で,成 績 に最 も影 響 を
図13 1'与え るG/L(吹 込酸 素 量l/粗 酢 酸 量l)を パ
註 図上の数字 は元 の山の縮 尺率 を示す ラ メ ー ター と して,粗 酢 酸 の 停 滞 時 間 とアル デ
ヒ ド残 量 お よ び過 酢 酸 の 関係 を図示 す る 。
1.ア セ トア ル デ ヒ ド残 留 濃 度
844 有機合成化学 第20巻 第9号(1962) (40)

2.過 酢酸濃度

図14ア ル デ ヒ ド―停 滞 時 間―G/L


図16過 酢 酸― 停 滞 時 間―G/L
(向 流5m高)
(向 流5m高)

図15ア ル デ ヒ ド―停 滞 時 間―G/L


(並流5m高)
図17過 酢 酸― 停 滞 時 間―G/L
図14,15か ら,G/L=10の 時 向 流 型 の 方 が並 流型 よ (並流-5m高)

りも残 留 アル デ ヒ ドを低 くし うるが,停 滞 時 間 が長 くな こ の場 合 は,い ず れ もG/Lが 小 に な る と過 酢 酸 濃 度


る と,す なわ ち,ガ ス 吹 込 量 の絶 対 量 が あ ま り少 な くな は低 くな って い る。 ま た 共 に停 滞 時間 の大 な る ほ ど,減 二
る と,並 流 型 よ りも向 流型 の方 が増 加 す る傾 向 を示 す
。 少 の傾 向 にあ るが,こ れ も20∼30minご ろ まで,こ の
G/L=15の 場 合 は並 流 型 の方 がす ぐれ て い て ,原 液 傾 向 が 強 い 。 な お,本 法 に よる流 出酢 酸 の品 質 につ い て
の1/100以 下 に ま で減 じ うる。い ず れ の 場合 も 液停 滞
は 図18,19の ガ ス ク ロマ トグ ラ フ にみ られ る如 く,単.
時 間'20min以 上 が実 用 的 と考 え る。 式 酸 化 法 の それ と差 異 が ない 。
3.廃 ガス の 爆 発 対 策1,2の 実験 に も

示 され る如 く,酸 化 成績 を上 げ る た め のG/L
は15以 上 が 望 ま し く,こ れ は理 論 値 の8に
対 して 過 剰 のO2が 供 給 され る こ と で あ っ
て,し た が って,そ の廃 ガ ス は ほ とん ど全 部
の場 合,爆 発性 を示 した 。筆 者 は,廃 ガス に
N2を 添 加 希 釈 して,N2,O2お よ びC2H2.
CH3・CHOを 含 む 有 機 物 の 三 成 分 に つ き,

大 体 の爆 発 範 囲 組成 を示 す 三 角 座 標 図(図
20)を 求 め,本 図 に よ り添 加N2量 を決 定 し

図18 安 全 に,そ の 後 の操 作 を行 っ てい る。
筆 者 は,本 法 に よ る酢 酸 の連 続 酸 化 法 にっ
註 図上の数字は元の山の縮尺 率を示す。
Room Temp.25
き 日本 特 許 を 申請 中 で あ る。
.0℃Bridge Curr.200mA

Sample.酸化終了後,粗酢酸0.03ml Chart Speed 20mm/


min IV.酢 酸エチル製造におけるア
Carrier.Gas:He,Flow Rate 50 .2cc/min Column Temp.120℃ ルミ ニ ウ ム 触 媒 の 使 用 条 件

ア セ トアル デ ヒ ドよ りア ル ミニ ウム エ チ レ
(41)カ ー バ イ ド法 ア セ チ レ ン の 精 製 と ア セ チ レ ン か ら ア セ トア ル デ ヒ ド な ら び に そ の 誘 導 体 の 製 造 845


ト(Al-Et)を 触 媒 と して酢 酸 エ チ ル(Ac-
Et)を 製造14す る,い わ ゆ る チ ッシ エ ン コ反

応 に お け る使 用 触 媒 値 はAc-Et原 価 中無 視
しえ ない もの で あ る 。筆 者 はAl-Etの 使用

量,ア セ トアル デ ヒ ド水 分 含 有 量 と収率 の 関


係 な ど本 反 応 を工 業 的 見 地 か ら基 礎 条 件 にっ
き 回 分式 反 応 にお い て 吟 味 した 。

実 験 の部

図19 装 置 お よび 操 作 方 法

 註 図 上 の数 字 は 元 の山 の縮 尺 率 を示 す 。 図21の 如 き実 験 装 置 に,あ らか じ め50%


Room Temp.29.0℃Bridge Curr.200mA
酸 化 終 了 後,粗 酢 酸
Al-EtのAc-Et液 所 定 量 を入 れ て,か くは
Sample.(並 流 法 に よ る著 者0.03ml Chart Speed 20mm/min
の試 験 法) ん しつ つ アセ トア ル デ ヒ ドを滴 下 し,反 応 を
Carrier.Gas:He,Flow Rate 50cc/min Column Temp.120℃ 行 わ しめ る。 液 温 は0∼3℃ に保 つ 。 滴 下 後

図20酸 化 廃 ガ ス爆 発 組 成(曲 線 に囲 まれ た 部 分 は 爆 発 組 成)

2hr5℃ 以 下 に保 ち,後5hr静 置 し,次 に 分別蒸留 し


75∼78℃ 留 分 をAc-Etと み な す 。 か くして,水 分が
0.1%の 場 合 と コ ン跡 の場 合 の触 媒 濃度 と,反 応 変 化 率
の 関係 を求 め た 。

 た だ し 膨
  反 応 変 化 率 とは ア セ トアル デ ヒ ドの
 (仕込 量 一未 反 応 量)/仕 込 量 の百 分 率
収 率 とは ア セ トアル デ ヒ ドの 消 費 量 に 対 す るAc-Et
の 生成 量 百 分率

 ア セ トアル デ ヒ ド中 の水 分 分 析 は 次 に よ った;
図21  ア セ トアル デ ヒ ドを シ ア ン ヒ ドリ ン と して 固定 し
846 有 機合 成 化 学 第20巻 第9号(1962) (42)

 カ ール フ ィ ッシ ャー 法 に よ り測 定  実験 結 果 を 考 察 す る と,水 分0.1%の 場合触媒量 を


実験結果 ア セ トア ル デ ヒ ド仕 込量 の5%に した とこ ろ に曲 点 が あ
図22,23に 示す。 り,そ れ 以 下 に減 少せ しめ る こ とは不 利 で あ る こ とが 知
られ る。 これ に対 し水 分 が コ ン跡 の ア セ トアル デ ヒ ドの
場 合 は,2%ま で下 げ うる こ とが認 め られ た 。
 つ ぎに,上 記 の如 き反 応 液 の蒸 留 残 サの 活 性 力 を利 用

す るた め に,こ れ に流 動 性 を与 え る 程 度 にAc-Etを 添
加 し触 媒 液 と して反 復 使 用 す る実 験 を行 っ た。
 す な わ ち,第1回 合 成 液 の 蒸 留 残 サ の 倍 量 のAc-Et
.を加 え て 溶 解 し,第2回 目の合 成 実 験 を行 い,合 成 結 果
を求 め,同 様 に して,こ れ を反 復 す る,各 再 成 ご とに,
どの 程 度 触 媒 の 使用 濃 度 を増 加 す る必 要 が あ るが,す な
わ ち ア セ トア ル デ ヒ ドの仕 込 量 を,い か な る割 合 に減 ら
して い くべ きか につ い て,そ の量 的 関係 を確 めた 。 この

連 の 再 合成 実 験 結 果 の一 例 を 図24に 示 す
図22ア セ トア ル デ ヒ ド中の 水 分0.1%の 場合 に 。
お け る触 媒 量 と合 成 結 果 の 関 係  使 用 した ア セ トア ル デ ヒ ドの 水 分 は0.1%で,初 回.
合 成 の 触 媒 濃 度 は8%で 始 め た 。 図24中Ac-Et残 存
計 算 値 とあ るは,ア セ トア ル デ ヒ ド中 の水 分 に よ り加 水.
分 解 して 消 耗 す る もの の み と した計 算 値 で あ る。
 ア セ トア ル デ ヒ ド仕 込 量 を毎 回前 回 の80%程 度 に減 、

少 して い った結 果 で あ る が,反 応 変 化 率 は 毎 回 約2%の


低 下 で あ るが,収 率 は94%の 一 定値 を も ってAc-Etが
得 られ,そ の結 果,触 媒 の 使用 率 を著 し く減 少 せ し め う
る こ と とな った 。 この反 復使 用 実 験 の結 果15)は,連 続 合
成 法 につ い て 示 唆 を与 え る もの で あ る 。

V.パ ラ ア ル デ ヒ ド製 造 に お け る 触 媒 の 選 択

ア セ トアル デ ヒ ドを重 合 させ て,パ ラア ル デ ヒ ドとす

図23ア セ トア ル デ ヒ ド中水 分 コ ン跡 の場 合 る際 に お け る触 媒 には,塩 酸,無 水 亜硫 酸16)な ども あ る


に お け る触 媒 量 と合 成 結 果 の関係 が,硫 酸 が普 通 使 用 され る。 筆 者 の実験 に よれ ば,濃 硫

酸(98%)の 最 適 使 用 量 は,ア セ トア ル デ ヒ ド
の0.024∼0.05%で あ り,か っ,中 和剤 とし
て は,炭 酸 ソー ダが 最 適 で あ る こ と を 認 め た
が,こ の場 合,工 業 的 には 中 和 して生 じた硫 酸

ソー ダ が,き わ めて 微 粒 子 と な るた め に,ロ 別
に 困難 を き たす な ど のわ ず らわ し さが あ る。筆

者 は 中 和 工程 を必 要 とし ない 触 媒 の 選 択 に 留 意
し,イ オ ン交 換 樹 脂 の実 用 性 につ い て研 究 を行
った 。す な わ ち,陽 イ オ ン交 換 樹 脂 ア ンバ ー ラ
イ トI.R.120(I.R.)を 選 び,I.R.の 処理方法 ご
に よ る,そ の 比交 換 容 量 と触 媒 能 力 と の関 係 な

どに つ い て実 験 を 行 った 。

実験の部
図24縮 合 物 蒸 留 残 サ を 反 復 使 用 せ る実験 結 果
 樹 脂 処 理 方 法 お よび 比 交 換容 量(E)の 測定 二
(各 再 合 成 に於 け る反 応 変化 率,収 率,
ア ル デ ヒ ド仕 込 量 とエ チ レー ト残 サ量) 法17)
847
(43)カー バ イ ド法 ア セ チ レ ン の 精 製 と ア セ チ レ ン か ら ア セ トア ル デ ヒ ド な ら び に そ の 誘 導 体 の 製 造

図25の 樹 脂 層 にI.R.10gを 充 テ ン し, 分析 法 パ ラ ア ル デ ヒ ド 中 の ア セ トア ル デ ヒ ド;友


田法
後 記 の 処 理 液 を 所 定 量 流 下 後,完 全 に 水

洗,乾 燥 し,そ の 内 か らMgを 秤 取 し, 実験 結果

こ れ に0.01NNaCI100cc加 え メチ ル 表4お よび 図26に 示 され る よ うに,塩 酸,カ セイ

オ レ ン ジ を 指 示 薬 と し てN/10NaOHで ソ ー ダ,ま た は 食 塩 処 理 の 併 用 が きわ め て樹 脂 の比 交 換

滴 定する。 容 量 を高 め る こ とが わ か る。

E(meq/gr)=0.1v/M
図25 vN/10NaOHcc

M:試 料g

パ ラア ル デ ヒ ド製 造 実験
11の フ ラ ス コに,あ らか じ め パ ラア ル デ ヒ ド5009

を仕 込 みI.R.59を 加 え,か くは ん しつ つ,ア セ トア


ル デ ヒ ドを添 加 反 応 せ しめ る 。反 応 温 度 は20±2℃ と
し,液 比 重 が0.950∼0.960を 保 つ よ うに添 加 速 度 を調 図26
節 しつ つ ア セ トア ル デ ヒ ドを5時 間加 え る 。 か くす る こ ま た,比 交 換 容 量 と触 媒 能 力 との 関係 は正 相 関で,特
とに よ って 反応 液 中 の ア セ トア ル デ ヒ ド濃 度 は20±2 に比 交 換 容 量3以 上 に お い て 急 激 に 触媒 能 力 が高 ま っ て
%に 保たれる。添加終了後,す みやかに 分析を行い い る こ とは,工 業 的 に使 用 す る場合3以 上 の 比交 換 容量
時間当りの重合量を求め種々の 処理方法を行ったI.R. に しな け れ ば な らぬ こ とを意 味 す る。
樹脂の比交換容量と触媒能力 との関係を求めた。 文 献
1)  村 上,「 ア セ チ レ ン 工 業 」 p39∼45 (1955)共 立 出

版 社;BIOS 1047
表4
2) Lunge, Z. Angew. Chem. 1897 651; Wolff, DRP

109, 356;  須 田,平 野,日 特 138, 495;日 特 公

昭 36-16278; BIOS 1049


3) Granjon, FP 434, 137 (USP 1,074,501)

4)  上 岡,日 特 215, 920

5)  北 川,高 圧 ガ ス 協 会 誌 122, 31 (1948)

6)  日 特 公  昭 17-5247;伴,伊 田,日 特219, 244;伴,

山 本,工 化61 710, 852 (1958)

7)  USP 1, 151, 928

8)  BIOS: 1049

9)  友 田,工 化32 660 (1929)

10)  玉 虫,「 膠 質 化 学 」 p187∼193 (1941)岩 波 全 書

11) BP 280, 885 FP 643, 387

12) BP 377, 193 USP 2, 029, 120

13)  USP 2146, 448

14)  小 方,有 機 反 応 論 p315 (1950)国 民 科 学 社

15)  上 岡,日 特197, 958

16)  「カ ラ ー 有 機 化 学I」 p227 (1955)共 立 出 版 社

17)  吉 野,藤 本,「 イ オ ン 交 換 法 」 p12, 26 (1957)共

立 出 版 社

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